交流回路計算の極意

交流回路計算の極意(複素数)

ここでは交流回路計算を、超シンプルに解説したいんですけど、いきなり参考書で交流回路を勉強すると、

 

「複素数とか瞬時値とか、マジ意味わかんねぇし」

 

ってなりますよね、普通は(笑)

 

 

だけど、今からここに書くシンプルなルールだけを覚えれば、別に交流回路も複素数も難しくはありません。

 

 

では行きますよ??

 

 

複素数を簡単に考える

 

まず複素数なんですけど、これは二乗して-1になるという謎の数字(虚数)があるという以外、あとは普通の計算と一緒です。

 

その謎の数字というのが、虚数jです。
(通常の数学では虚数はiですが、電気では電流と被るのためjで表現します)

 

例えば、

 

j5×j2 = -10

 

j6×3 = j18

 

j×j×j=-1×j = -j

 

というように、単にjが二つ掛けられていれば、それが-1になるという、新しい数学のルールが定義されているだけですね。

 

 

↓複素数が苦手な方はこちらの鈴木貫太郎さんの動画がめっちゃ参考になりますよ。

 

 

通常の数直線上の計算だと、二乗してマイナスになる数字は存在しないのですが、

 

あえて二乗してマイナスになる「虚数」という数字を定義することで、数直線だけじゃなく「平面ベクトル」を代数計算で計算できるようになるわけですね。
(なんて画期的な発明なんだ!)

 

数直線では、原点から右(正の実数)と左(負の実数)の横方向の一直線ですが、虚数では新たに縦方向に上と下に数の世界が拡張されます。

 

これによって、一次元だけの数直線から、二次元の「平面」の数を表現できることになるので、

 

値(大きさ)と位相(角度)、という交流の電気を複素数(要は横軸と縦軸です)を使えば計算できるようになるわけです。

 

 

交流回路は正弦波ですから、その“波”というのを大きさと位相、つまり大きさと角度なので平面ベクトルで表せます。
(詳しくは、ECMのサンプル動画に解説在ります → サンプル

 

 

 

とはいえ、まだ電気の勉強を始めて間もない段階だと、

 

「そんなこと言われてもなぁ、うーん。。。」

 

と、まだピンと来ないかもしれませんが、これを頭に入れながら学習を進めると理解度が飛躍的にアップします。

 

 

交流回路計算を簡単に考える

 

では、複素数というか虚数という概念を覚えてもらった後に、実際に交流回路を計算する際に覚えておいてもらいたいシンプルなルールがもう一つ。

 

それは、

 

“誘導性リアクタンスXLは正の虚数”

 

“容量性リアクタンスXCは負の虚数”

 

で扱う、ということ「だけ」!!

 

 

まじでこれだけの事なんですよ。交流回路の計算は。

 

 

誘導性リアクタンス(コイル)というのは、ECMの中でも詳しく解説していますが、電圧をかけるとその電圧の位相に対して90°位相の遅れた電流を流す回路素子で、

 

誘導性リアクタンス(コンデンサ)というのは、逆に自分にかかる電圧に対して90°位相の進んだ電流を流す素子。

 

 

つまり、Vという電圧を掛けたときに、Vに対して90°遅れた電流というのは、複素数の平面図で表わすと原点から下方向、
つまり負の虚数だから、-jI と表現でき、

 

逆に90°進みというのは、原点から上方向なので正の虚数、jIと表現できます。

 

 

XLは90°遅れる-jIという電流になるので、XL自体は正の虚数jXLとして扱えば、

 

電流=電圧÷リアクタンス

 

というオームの法則から、

 

E/jXL=-jE/XL=-jI

 

と、電流は90°遅れとして表現できますし、
容量性リアクタンスを負の虚数-jXCとして扱えば、

 

上記と同じ要領で、

 

E/-jXC=jE/XC=jI

 

と、電流は正の虚数になるので90°進みとして表現できます。

 

 

交流回路の特徴というのは、電圧に対して電流の位相をずらす素子(リアクタンス)が新たに登場するというだけで、

 

しかもその二つというのも、

 

“誘導性リアクタンスXLは正の虚数”

 

“容量性リアクタンスXCは負の虚数”

 

として扱うという、超シンプルなルールがあるだけです。

 

 

 

 

・・・ということで、上記の事さえ押さえておけば、別に交流回路っていうのも簡単だし、

 

逆に交流回路を難しくしているのは、上記のようにシンプルに考えられずに、勝手に頭の中で複雑にしているからです。

 

無駄に二乗で足してルートで括ったり、

 

「いやいや、実数は横、虚数は縦だから、斜辺にあたる絶対値が三平方の定理で計算するだけで、
なぜそこでその計算をするんだ?」

 

っていう人も結構多いですよ。。

 

 

よく交流回路の計算で、「ベクトル図を描きながらやるのが大事」っていうのもこういう理由があるからです。

 

 

しっかりと、虚数が含まれた複素数の値っていうのを、平面図でイメージできていれば、

 

例えば、

 

6+j8

 

という計算を、14とはしないですよね?

 

6+j8というのは複素数の平面図だと、原点から右に6、上に8 です。

 

6と8の方向が違うからそのままは足せません。

 

でも、原点からそこまでの距離(絶対値)なら、底辺を6、高さを8とする直角三角形の斜辺に相当するから、

 

6+j8

 

の絶対値は、三平方の定理を使って、

 

√(6^2×8^2)
=√(64+36)
=√100
=10

 

という計算ができる。

 

 

が、これを単に二乗で足してルートで括るという“数式”を暗記だけしているような場合だと、使いどころが意味わかんなくなっちゃうんですよね。

 

原理が分かっているから、使いどころもわかるわけで、数式の暗記ってほとんど意味ないです。

 

個人的には、交流回路は特に数式を暗記する必要ないと思います。

 

 

だって、

 

数字の世界が虚数によって、一直線の数直線から、平面に拡張されただけで、しかも虚数っていうのもj×jが-1になるだけ。

 

で、XLを正の虚数、XCを負の虚数で扱うだけ。

 

 

マジでこれだけで、他は直流回路と一緒ですからね。

 

 

 

と、上記のようなことを、いちど交流回路で躓いている人は意識して欲しいですし、これから勉強を始める方も、

 

今はまだこの記事が何を言っているのかピンと来なくても、

 

「そういやこんな記事があったなぁ」

 

と思いだしながら勉強を進めると、効率アップ間違いなしです。(と自負しております・笑)

 

 

 

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