電験三種 合格体験記 その3
こんにちは、資格とっ太郎です。
「電験三種合格体験者のリアルな体験談」をご購読いただきましてありがとうございます。
少し長いですが、勉強の合間の息抜きにでもお読みいただければと思います。
前回、勉強の計画を立てて基礎数学から勉強を開始したのですが、一週間というスピードで早くも挫折を経験し、部活に専念するという口実でしばらく電験三種からはなれたお話しをしました。
今回は、再び訪れた勉強再開のきっかけストーリーになります。
それではよろしくお願いします!
■4月 新年度のスタート
2月に一週間だけ勉強した基礎数学を境に、全く電験三種の勉強をしてこなかった僕ですが、4月からは学年も一つあがり、高校最後の一年を過ごす三年生になりました。
気持ち新た、というとベタですが、4月と1月は一年の中でも最も頑張ってみようと思ってしまうのはきっと僕だけではないはずです。
さらに新年度から、電気科に新しい先生が赴任して来ました。
第一話でも少し触れましたが、この先生こそが、僕の学校で唯一生徒に電験三種の受験を勧める熱血先生でした。
ちなみにこの先生は、文字通り“電気LOVE”という感じで、自分で自分の体に電流を流してどのくらいの電流なら耐えられるか、という実験を個人的にやってしまうくらいのド変態です。
先生曰く、「30mA(ミリアンペア)が限界だった。」そうです。
ちなみに、一般的には20mAで激しい痙攣が始まり、50mAの電流が人体に流れると命にかかわると言われているので、この先生、いろんな意味でホントにヤバいです。
それはさておき、この時ふたたび僕の気持がほんの少しだけ電験三種に傾いたのです。
しかし第一話でも言いましたが、このどこかの元テニスプレーヤーを思わせるような熱血タイプは残念ながら僕のクールな(笑)性格に相入れることはありませんでしたが。。
なにはともあれ若干の気持ちの揺らぎはあったものの、まだ完全には再始動に至るエネルギーにはならなかったのです。
■迫りくる申し込み期限・・・オカンの恐怖ふたたび
正確には覚えていないのですが、当時の電験三種の受験申込は、4月末頃〜だったと思います。
新年度始まって早々に、受験申込期限が迫っていたのです。
そしてどこからかぎつけたのか、その情報を知っていたオカンが僕にそれとなく受験申込期限のことを伝えてきたのです。
オカン:「あんた電験三種の受験申込しなくていいの?」
これで、“忘れていた”という姑息な手は残念ながら使えなくなってしまったのですが、僕は冗談半分でこう言ってみました。
僕:「電験三種?なにそれ?」
この言葉を聞いたオカンは、ウサイン・ボルトも驚きのスピードで、鬼の形相へと変化していったので、
僕:「うそうそ。もう少し時間あるからその間に申込みするよ。」
と、なんとかギリギリのところで鬼を沈めることができたのです。
ちょっとした冗談が命取りになることを、心に刻みながら・・・
そして受験申込みを済ませた僕は、いよいよ引っ込みがつかなくなっていくのでした。
不思議なもので、受験申し込みをするとなんだかやる気がでてきて合格できるような気がしてきたのです。
きっかけってホントに大事だな、と今でも思います。
この頃から、少しずつながら僕の勉強は再開するのでした。
挫折を覚えた基礎数学はトラウマだったので、それ以上勉強することはなく、理論の科目から始める事にしました。
(今思えば、この選択が功を為すことになったのですが。それはまた別の機に。)
■熱血先生とゆかいな森の仲間達
4月も半ばにさしかかった頃でしょうか。
例の熱血先生が僕たち電気科の生徒に、あることを伝えに来ました。
あっちなみに熱血先生は、僕らの担任ではなく単に科目を担当している
先生です。
僕らの担任には別のテキトー先生(※授業はほとんど睡眠学習)という先生がいるので、念のため。
それはさておき、熱血先生が帰りのホームルームで僕らの教室へあることを伝えにやってきたのです。
熱血先生:「来週から電験三種の補習始めるけど、電験三種受験する人手挙げて」
熱血先生:「ちなみに資格とっ太郎、おまえは参加決定ね。」
僕が電験三種を受験することを知っていた熱血先生は、有無を言わさず僕を参加メンバーにするのでした。
「そんな殺生な・・・」と思う僕でしたが、この頃にはもう試験まで時間が残されていなかったので、もうどうにでもなれ精神で「あ、は、はい」と答えるだけでした。
そして僕の参加は決定したのですが、問題は他に受験を希望する生徒がいなかったのです。
僕は正直、「マンツーマンで補習なんて絶対いやや〜」と思っていたので、誰か他に受験するやついないのかよ?とあたりを見渡しました。
しかし誰も手を挙げません。。
すると熱血先生が、
熱血先生:「クマ、ラビ、キメラ(全部クラスメイトのあだ名です)、お前らも受けろ」
と、自分が顧問を務める電気工作部の部員達を指名したのです。
「熱血先生を顧問に持つ部員も大変だな・・・」と多少の同情の念を向けてあげたのですが、これでマンツーマンを避けられるならしめたもの。
こうして、熱血先生の働きかけで電験三種ゆかいな森の仲間達(笑)が結成されたのでした。
そして次の週から、熱血先生による電験三種の補習が始まることとなったのですが、一つだけ問題がありました。
その補習は、朝の授業が始まる前に行われるものでした。
いわゆる0時限目というやつです。
しかし僕は朝にめっぽう弱い。
毎日のように遅刻ギリギリの時間に登校していた僕には、「辛い」の一言でした。
さすがに初日から遅れるわけにはいかなかったので、なんとか朝早く起き、0時限目に間に合うように学校へ向かいました。
自転車で40分、学校へ到着し教室へ入ると、ゆかいな森の仲間たちはすでに勢揃い。
クマとラビが「お前よく間に合ったな」と、少し信じられないというような疑いの目を向けてきたのですが、疑うもなにも僕はここにいるんだよ、と。
それだけ僕が朝早く来るのは、ジャイアンがやさしくなるくらい珍しい事なのです。
ちなみにクマとラビは、なにかと僕にライバル心を向けてくることが多い二人なのですが、決して悪い奴らではありません。
今でも地元(九州)に帰ると、よく遊ぶのはこの二人です。
キメラとは地元ではあまり会いませんが、職場が東京(僕は神奈川)なのでたまに飲みに行ったりしています。
まあ基本的に森のゆかいな仲間たちは、みんな仲が良い人が集まったとお察しください。
それはさておき、間もなくして熱血先生が教室へやってきました。
先生が用意したプリントが配られ、その内容に従って補習は始まりました。
さすがに補習をするとはいえ、この短い期間で電験三種の試験範囲を全てカバーするのはとても不可能だったので、先生が重要だと思うところをピックアップしての補習でした。
確か初日の内容は「鳳・テブナンの定理」だったと思います。
そして熱血先生の授業は始まったのですが、、、
「眠い」・・・
慣れない早起きをしたせいです。
頭がボーっとする、目が開かない、内容が全く頭に入ってこない・・・
あっという間にチャイムが鳴り、補習は終わりました。
しかし、頭に残っていたのは「眠かった」という記憶だけです。
「こんなことなら補習に参加する意味が無いじゃないか」
そんな反省もむなしく、僕が朝に弱いのはもう幼い頃から変わらない天からの贈り物なのです。
(そのせいで、オカンは僕を保育園に連れていくのにさぞ苦労したそうでが。。)
そして、天からの贈り物に僕のひ弱な力が歯向かえるはずもなく、僕はその数日後から補習に参加できることはありませんでした。
その後しばらくは僕以外のメンバーが補習を受けていたのですが、一人いなくなってはまた一人と、どんどん補習を脱退する人が表れたのです。
5月も終わる頃の事でしょうか。
この状況にはさすがに熱血先生もあきれ果てた様子で、ある日の放課後に僕らメンバーを呼び出し、こう言ったのです。
熱血先生:「悪いけどもう補習はやめにする。お前ら各自でしっかり勉強しろよ」
という言葉を残し、補習はたったの数週間ほどで終わりを迎えました。
熱血ながらも優しい先生は、決して補習をやめることを僕らの所為にするのでなく、「自分が忙しくなった」ということを理由にするところには、僕の心にも少しばかりの罪悪感が残るのでした。
「先生、補習参加できなくてごめんよ。」
そして補習は終わり、僕はいつものように勉強をすすめるのです。
僕は元々受験する気でいたので、補習があろうとなかろうと頑張ることに変わりはなかったのですが、半ば強制的に受験を決められたゆかいな森の仲間たちはすこし呆然としていました。
受験申し込みもおわり、既に受験料を支払っている彼ら。
あきらめるには、時すでにお寿司(古)なのです。
彼らの背中に漂う哀愁を横目に、僕はただ黙々と勉強を続けるのでした。
・・・つづく
次回は、
第四話 もう間に合わない!恥を捨てる・・・
・学校で勉強。休み時間に勉強。
・仲間たちのその後
・5月には部活も引退
・みんなが原付かっ飛ばして遊んでる最中、勉強
で、お送りしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!
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