電験三種 合格体験記 その1
こんにちは、資格とっ太郎です。
「電験三種合格体験者のリアルな体験談」をご購読いただきましてありがとうございます。
少し長いですが、勉強の合間の息抜きにでもお読みいただければと思います。
今回は、記念すべき第一話ということで、実際に勉強を開始する一歩前の、僕が通っていた高校のことや、電験三種を受験をしようと思ったきっかけ、そしてテキストを入手するまでのひと悶着についてのお話しをしていこうと思います。
それではよろしくお願いします!
■通っていた高校について
まず僕が通っていた高校の話を少しだけしておくと、僕が通っていたのは田舎の工業高校の電気科です。
電気科というと、
「なんだよ、だったら電験三種なんて合格して当然だろ」
とか、
「先生に教えてもらえるんだから独学じゃないじゃん」
とか言われるんですが、それはまったくの誤解です。
まず、電気科といっても授業の内容は電気の簡単な部分しか教わりません。
電験三種の範囲にあるような高度な内容の全ては教わらないので試験対策にはならないのです。
計算問題も公式を当てはめるだけの簡単なものしか学力試験には出題されませんし、試験が終われば公式なんてすぐに忘れてしまいます。
(少なくとも、僕の通っていた田舎の平凡学校では。。。)
電気科の生徒が卒業して、2〜3年勉強してやっと合格できた。みたいな話がよくありますが、これにはそういう背景があるのです。
2〜3年もあれば、別に電気科の生徒でなくてもしっかり試験対策すれば合格できる期間です。
なので、電気科の生徒といっても少し有利かも?という程度で、普通の人とそこまで大差はないのです。
そして、先生に教えてもらうことも実はあまり期待できません。
というのは、電気科といえど高校生で電験三種に合格するのは至難なので、先生も生徒に受験をすすめることは少ないです。
(あきらめムードと言った方が正しいかも・・・)
それはつまり、あまり協力的ではないということ。
先生も暇ではないので、特別に教えてくれるような人は実は稀です。
僕の高校には、一人だけ協力的な先生がいたのですが、どこかの元テニスプレーヤーを思わせるような熱血タイプだったので、正直苦手であまり近づきたくなかったです(修造さんごめん・・・汗)
というか当時反抗期の僕は、心の底から教師を憎んでいたので(笑)そもそも助けを乞おうなどとは始めから思っていなかったのです。
「センコーまじウゼェ」っていう例のあの病気です(笑)
なんてあの時の自分はトンガっていたのだろう・・・と今では少し反省していますがなにはともあれ、結果的には試験勉強ほとんどが独学になってしまったのです。
■受験しようと思ったきっかけについて
次に、僕が電験三種を受験しようと思ったきっかけについてお話ししたいと思います。
まったくもってベタですが、きっかけはU-○ANのチラシです。
それは僕が高校二年生の2月の頃でした。
僕の通っていた高校では、当時資格取得がある種のブームになっていたので、ちょっと気になったのでチラシを見てみたんです。
そこにはあらゆる分野そして数多くの講座がずらりと並んでいたのですが、ある一つの講座が目に留まりました。
それが、電験三種です。
当時僕は、仮にも電気科の生徒だったのでその資格についてはある程度の情報は知っていたのです。
「その資格は高校生には難しい。2〜3年必死に勉強してやっと取れる」
「うちの学校では10年以上合格者は出ていない」
「まず・・・無理!」
このようなことを、学校の先生や先輩達が言っていたのを覚えています。
しかし、学校では「資格を取得すると就職に有利」ということは先生たちも口を酸っぱくして言っていました。
先生たちが電験三種をすすめることはありませんでしたが、立派な資格であることには変わりありません。
(後から聞いた話によると、高校生活は短いので電験三種を頑張って受験して落ちるより、他の資格を頑張って取った方が安全だということでした)
僕はもし電験三種に合格したら、それこそこんなに就職に有利になることは無いのでは?と思ったのです。
「合格すれば、僕はヒーローになれる!うん!」
というわけで、資料請求は無料なのでチラシについていたハガキに、名前と住所を書いてポストへ投函しました。
なんかちょっと怖かったので、自分の名前を偽名にした事は内緒です(笑)
そして数日後、その偽名宛に届いた封筒を開けると、まず一枚の紙が入っていました。
その紙には確かこんな事が書かれていたと思います。
「○○様
この度は、第三種電気主任技術者講座の資料請求をしていただき誠にありがとうございます。
第三種電気主任技術者は電気資格の登竜門として、その分野では多くの方々が受験する、人気資格となっております。
しかしその難関さゆえに資格保有者の数は少なく、毎年10%前後と非常に低い合格率となっています。
ですが、それは裏を返せばとても社会的価値の高い資格であるということです。
U-○ANでは、多数の資格保有者が懇切丁寧に○○様の学習をサポートいたしますので、ご安心ください。
○○様のスキルアップのために、私ども一同全力でサポートさせていただきたいと考えておりますので、この機会にぜひ当講座の受講をご検討くださいませ。」
昔の事なので正確には覚えてないですが、確かこういった趣旨の内容でした。
そして教材の詳しい内容や、合格者の声などその他の冊子が数冊。
今の僕なら、売り込み必至だなオイ(笑)と、冷ややかな目で見ることができるのですが、当時の僕は、文字通り興奮を隠しきれませんでした(汗)
今思えば、ここまでやる気にさせてくれるU-C○Nの資料には驚きです。
そして僕はその資格が欲しくてたまらなくなってしまったのです。
しかし一つだけ問題がありました。
・・・お金です。
この講座を受講するには7万円ほどのお金が必要でした。
当時の僕はアルバイトをしているわけでも、裕福な家庭に生まれたわけでもなかったので、そんな大金を支払えるお金は無かったのです。
当然勉強するには時間が必要なので、今からアルバイトをしてお金を貯めることも到底現実的ではありません。
そう、オカン(母)に頼るしかありませんでした。
しかし先程もお伝えしたように、我が家は裕福な家庭ではありません。
むしろ貧乏だったと思います。
事実、我が家は毎月の授業料の支払い(公立高校なのでおよそ一万円くらい)にも
苦労するほどの家計状態でした。
普通にオカンにお願いしても断られるのは目に見えていました。
しかし、
貧乏家庭の息子をなめてはいけない。
貧乏家庭の息子には貧乏家庭の息子なりの作戦があるのです。
「就職有利」「将来の年収」「社会的地位」という貧乏人が飛びつく言葉三種の神器をたくみに操り、
そして覚えたてのU-○AN直伝の落とし文句と、進○ゼミが毎月教えてくれる母親説得術をひっさげ、いざ行かん!母親の元へ!!
結果は・・・
撃沈(涙)
「そんなお金は無い」
「ないものはない」
交渉時間、わずか2分。
貧乏人が飛びつく言葉三種の神器は、「ないものはない」という言葉の前では、なす術もなかったのです。
しかしここで引き下がる僕ではない。
そう、貧乏家庭の息子をなめてはいけないのです。
「もう通信講座なんていう高望みはしないよ。。。独学で勉強すれば安く済むから、テキストだけ買ってもらおう」
高校生ながらに最適の妥協案(?)を導き出した僕は、次の日再びオカンとの交渉を再開したのです。
第二戦!いざ行かん!オカンの元へ!
結果は・・・
撃沈(涙)
「あんたどうせ勉強しないでしょ」
あぁオカンよ、そんなに自分の息子の事が信用できないのか・・・
はいはい、日頃の行いのせいっすよね、サーセン(涙)
かくして二度の交渉に敗北した僕にはもう、これ以上戦う気力は残っていなかったのです。
そして、残された手段はあと一つしかありませんでした。
そう、自分で買うしかなかったのです。
しかし僕に残されたお金はお年玉の残り1万円のみ。
テキストや問題集を全て揃えるとなると、全部で最低でも2万円くらいは必要でした。
当時の我が家はお小遣い制ではなく、必要な時に必要なだけの支援(お金)をオカンに求める制度だったため、オカンに必要ないと判断されたらもうお終いなのです。
「こんなことならアルバイトでもしておけばよかった!」
と嘆くも、ときすでにお寿司(古っ!)
その前に僕の高校は基本、アルバイト禁止なんですよね。
そういうわけで、嘆いていてもしょうがなかったので、手持ちの1万円で買えるだけのテキストを買おうと決めたのです。
しかし、
ただ買うだけで終わるのはもったいない。
僕はここで“ある作戦”を思いついたのです。
休日にオトン(父)とオカンが車で買い物に出かけるところに便乗し、途中で本屋に連れて行ってもらうことにしました。
そう、その“ある作戦”とは、テキストをオカンの目の前で買うことでした。
僕の本気さをアピールすれば、残りのテキストを買ってあげる気になるのではないかと
思ったのです(ニヤリ)。
戦 い は ま だ お わ っ て い な い ・ ・ ・(笑)
そしてようやく本屋へ到着しました。
オカンはきっと「またどうせマンガでも買うんでしょ」とか思っていたに違いありません。
しかしこの日の僕は一味違う。
本屋に入ってすぐにあるのはマンガコーナー。
そのお誘いをやんわりお断りして、僕の向かう先は参考書のコーナー。
いつもと様子が違うと思ったオカンは僕にこう聞きました。
オカン:「あんた何買うの?」
僕:「(ニヤリ) え?電験三種のテキスト」
オカン:「お金あるの?」
(これはもしや!! いやまだ焦るのは早い、落ち着け、落ち着け)
僕:「あるよ、お年玉の残りが。」
オカン:「そう・・・」
・・・
オカン:「ちゃんと勉強するんだったら買ってあげるよ」
(キターーー(゜∀゜)ーーーー!!!!!)
(いやまてまて、落ち着け、ここではしゃぐのはみっともないぞ。取りあえず落ち着いて、落ち着いて、冷静に対応しよう。)
僕:「え?ほんと?じゃあ買って( NICE COOL!)」
・・・
こうして全三戦を戦い終えた僕は、ようやく勝利をこの手につかむことができ、電験三種のテキストを入手することに成功したのです。
今思えば、なんて腹黒い高校生なんだと、少し反省したりしなかったりの僕ですが、それだけ必死だったのです。
まさしく電験三種の魅力に取りつかれていたのでしょう。
そして、「なげーよ」というつっこみはもちろん受け付けておりませんが、次回からは、いよいよ勉強開始なので楽しみにお待ちくださいませ。
というわけで次回予告です。
次回は、
第二話 勉強開始!そして訪れる「挫折」
・基礎数学で挫折 「わからない・・・」
・しばらくは部活に専念という口実
でお送りしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!
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